資産形成
42歳・普通の会社員が資産1億円に到達するまで
相続なし・一発逆転なし。インデックス投資を5年半続けた記録。
2026-05-30
2019年に約2,000万円から投資を始め、コロナショックを経験しながらも積立を続けました。
全体の推移はこちらです。

はじめに
2025年、42歳で資産が初めて1億円に達しました。
私は起業家でも、個別株で大成功した投資家でもありません。相続、不動産投資、仮想通貨による一発逆転もありません。
やったことは、会社員として働き、支出を抑え、余剰資金をインデックス投資に回すことでした。
ただし、ここまでずっと順調だったわけではありません。
投資を始めた直後のコロナショックでは、プラス300万円だった含み益がマイナス600万円になり、資産が900万円近く減りました。夜中に目が覚めて株価を確認し、「本当にこのまま続けて大丈夫なのか」と不安になったこともあります。
それでも投資をやめず、5年半後に1億円へ到達しました。もちろん、ここ数年の米国株高や円安など、相場環境にも恵まれています。
この記事は、**「こうすれば誰でも1億円になれる」**という成功法則ではありません。
普通の会社員が、不安や迷いを抱えながら資産形成を続けた記録です。
1. 2025年、資産が初めて1億円を超えた
2025年12月、資産が初めて1億円を超えました。
証券口座の数字を見たときは嬉しかったものの、思っていたほど「人生が変わった」という感覚はありませんでした。
「あ、ついに超えたんだ」
という、意外なほど落ち着いた気持ちでした。
私の資産形成は、一度に大金を得たものではありません。毎月の積立と相場の上昇が重なり、長い坂道を登った先で1億円を通過した、という感覚に近いです。
現在の資産内訳
現在の総資産は約1億円です。
- 🇯🇵 日本:約8,500万円(投資信託中心)
- 🇸🇬 シンガポール:約1,500万円(現金・投資資産)
合計:約1億円
この記事の資産推移グラフは、主に日本口座の資産をもとにしています。シンガポール移住後に形成した資産は別管理のため、一部含まれていません。
主に保有してきたのは、次の投資信託です。
- eMAXIS Slim 先進国株式インデックス(除く日本)
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
基本方針は、今もシンプルです。
生活防衛資金を確保し、それを超える余剰資金は投資する。
前提となる家族・収入の状況
現在は、妻と子ども2人の4人家族で、2023年からシンガポールに住んでいます。
投資を始めた2019年当時は千葉県在住で、世帯年収は約1,300万円でした。
- 私:約900万円
- 妻:約400万円
- 家賃:月11万円(会社補助なし)
日本全体で見れば、収入面では恵まれていたと思います。その一方で、子どもがまだ小さく、教育費や老後、将来の働き方に不安がありました。
また、資産形成において特別な手段は使っていません。
- 相続・大きな贈与なし
- 起業・会社売却なし
- 不動産投資なし
- 仮想通貨の大きな利益なし
- 個別株の大当たりなし
その意味で、これは働いて、貯めて、積み立てた会社員の記録です。
2. なぜ資産形成を始めたのか
私は、もともと投資が好きだったわけではありません。
学生時代から経済に詳しかったわけでも、株を趣味にしていたわけでもなく、むしろ「投資は少し怖い」と感じていました。
それでも資産形成を始めた理由は、人生の選択肢を増やしたかったからです。
『LIFE SHIFT』との出会い
30代後半の頃、『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』を読みました。
「自分たちは100歳近くまで生きるかもしれない」
という考えに触れ、それまでの人生設計が急に現実味を失いました。
60歳まで働いて引退したとしても、その後に30年、40年と人生が続くかもしれない。そう考えると、会社の給与と年金だけに依存することが不安になりました。
欲しかったのは「安心」と「選択肢」
私は、高級車や豪邸が欲しかったわけではありません。
欲しかったのは、次のような選択肢です。
- やりたい仕事を選ぶ
- 合わない環境から離れる
- 子どもの教育の選択肢を持つ
- 海外で働くことに挑戦する
- 家族との時間を優先する
昔から、
お金に困らなければ、人生の選択肢は増える
と考えていました。
もちろん、お金ですべての問題が解決するわけではありません。それでも、経済的な余裕は、人生の自由度を高める助けにはなります。
そのための方法として選んだのが、長期・積立・分散のインデックス投資でした。
派手ではありませんが、投資初心者の会社員でも仕事を続けながら実行できそうだったことが、決め手でした。
3. スタート地点はこんな状況だった(2019年)
投資を本格的に始めたのは2019年、36歳のときです。
妻は34歳で、第二子が生まれたばかり。教育費も老後資金もこれからという時期でした。
海外駐在から帰国し、現金2,000万円があった
投資を始める直接のきっかけは、海外駐在から帰国したことでした。
駐在中に貯めた現金が約2,000万円ありましたが、投資経験はほとんどありませんでした。
NISAも詳しく知らず、株を自分で買った経験もありません。
銀行預金のままでよいのか。投資した方がよいのか。失敗したらどうするのか。
大きな金額だったからこそ、なかなか決断できませんでした。
一括投資は怖かった
インデックス投資について学んでも、2,000万円を一度に投資する勇気はありませんでした。
そこで2019年中に3回ほどに分け、主に**eMAXIS Slim 先進国株式インデックス(除く日本)**を購入しました。
今振り返れば、理論上もっと効率のよい方法があったかもしれません。それでも、自分が納得して続けられる方法を選べたことは良かったと思います。
私は「余裕があるから投資した」というより、教育費、老後、仕事の将来といった、余裕のない未来への不安に備えるために投資したのだと思います。
そして投資開始から数か月後、初めての大きな暴落を経験します。
4. 資産1億円までの推移
冒頭の資産推移グラフに沿って、2019年からの経緯を振り返ります。
2019年:2,000万円から投資を開始
2019年5月、楽天証券でインデックス投資を始めました。
個別株を分析する時間も知識もなかったため、仕事が忙しくても続けられる投資信託を選びました。
当初は先進国株式を中心にしたのですが、その理由は「日本で働いているので、金融資産は日本以外に分散したい」というシンプルなものでした。
投資を始めた後、株価は順調に上がり、含み益は約300万円まで増えました。
初心者だった私は、正直に言えば、
「投資って、思ったより簡単なのでは?」
と少し調子に乗っていました。
2020年:コロナショックで900万円近く減少
2020年初頭、中国から「新型肺炎」のニュースが入ってきました。
私は「SARSやMERSのように、そのうち収束するだろう」と楽観的に考え、100万円ほど買い増しました。
しかし、その後、株価は急落します。
プラス300万円だった含み益は、マイナス600万円へ。
資産は900万円近く減少しました。
夜中に目が覚めて米国株を確認し、朝になるとさらに下がっている。第二子が生まれたばかりだったこともあり、「家族に迷惑をかけてしまったのではないか」と不安になりました。
このとき痛感したのが、生活防衛資金の大切さです。
当時、現金は生活費3か月分程度しかありませんでした。頭では長期投資の考え方を理解していても、手元資金に余裕がないと冷静でいられません。
その後ボーナスが入り、現金が増えたとき、不思議なくらい心が落ち着きました。今なら、最低でも生活費6か月分ほどは現金で確保します。
売らずに、自動積立を続けた
コロナショックの最中、私は売却しませんでした。
強い信念があったというより、怖すぎて動けなかった、という方が正確かもしれません。
ただ、自動積立はそのまま続いていました。
2020年後半から株価が回復し、やがて含み損600万円は含み益800万円になりました。
この経験から学んだのは、相場を正確に予測することよりも、無理のない範囲で市場に居続けることの方が大切だということです。
2021〜2022年:支出減と相場回復で資産5,000万円へ
コロナ禍では旅行や外食が減り、結果的に家計の余剰資金が増えました。
余ったお金は深く考えすぎず、投資へ回しました。
相場回復、米国株高、円安にも助けられ、2022年頃には資産が約5,000万円になりました。
2023年:資産がシンガポール移住を後押しした
2022年頃、シンガポールで働く機会が生まれました。
以前の海外生活は、会社が住居や手続きを用意する駐在員としての赴任でした。しかし今回は、現地採用として家族で移住する選択です。
子どもの教育、収入、失敗した場合の帰国など、心配は尽きませんでした。
妻に相談すると、返ってきたのは、
「やってみたら?」
という言葉でした。
そして、もう一つ背中を押したのが、約5,000万円の資産です。
一生安泰な金額ではありません。それでも、
「もし失敗しても、人生が終わるわけではない。もう一度働けばいい」
と思えました。
資産が、初めて現実の選択肢を与えてくれた瞬間でした。
2023年にシンガポールへ移住し、その後も働きながら投資を続けた結果、2025年に資産1億円へ到達しました。
5. 実際にやったこと
振り返ると、特別に優れた投資をしたというより、大きく間違えなかったことが効いたと思います。
① インデックス投資に絞った
中心にしたのは、次の低コスト投資信託です。
- eMAXIS Slim 先進国株式インデックス(除く日本)
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
短期売買や頻繁な銘柄変更はせず、「自分が長く持ち続けられるか」を重視しました。
当初、米国だけに投資することには少し不安がありました。30年という期間では何が起こるかわからないため、米国を中心としつつ先進国全体に分散したいと考えたからです。
現在はS&P500の比率も増えていますが、判断基準は今も同じです。
② 余剰資金を機械的に投資した
家計のルールは、
収入 − 支出 = 投資
でした。
生活防衛資金を超える分は、基本的に投資へ回しました。
コロナ禍では、旅行や外食の減少により、月20万円ほどの余剰資金が生まれていました。毎月の積立に加え、ボーナスや臨時収入で現金が増えた場合も、必要額を残して投資しました。
投資するかどうかを毎回悩まず、ルールにしたことが継続につながりました。
③ 自分が眠れなくなる投資は避けた
レバレッジETFや仮想通貨を検討したことはあります。
ただ、コロナショックで大きく動揺した自分には、値動きの激しい投資を長期間続けるのは難しいと判断しました。
他人が大きく儲けていても、自分が落ち着いて保有できないものには手を出さない。
リターンの最大化より、途中でやめずに済むことを優先しました。
④ 仕事では「量」より「単価」を意識した
資産形成では、投資利回りだけでなく入金力も重要です。
一方で、収入を増やすために仕事時間を際限なく増やすと、自由を得るための資産形成が本末転倒になります。
そこで意識したのが、自分の専門性を高めることでした。
「この分野なら、この人に聞けば早い」
「難しい案件でも安心して任せられる」
そう思ってもらえる仕事を目指しました。その積み重ねが、結果として転職や海外勤務の機会にもつながりました。
資産形成は、投資だけではなく、働き方や専門性を含めた長期戦だったと感じています。
6. やって良かったこと・後悔していること
やって良かったこと
一番良かったのは、完璧になる前に始めたことです。
2019年の私は、投資知識も暴落への耐性も十分ではありませんでした。それでも、分からないなりに少しずつ始めました。
また、複雑な方法に手を広げず、仕事が忙しくても続けられるインデックス投資を選んだことも良かったと思います。
資産形成で最も効果が大きかったのは、最高のタイミングで買うことではなく、仕組みを簡単にして継続したことでした。
後悔① もっと早く、少額から始めれば良かった
20代から月1万円でも投資していれば、複利の効果だけでなく、値下がりへの慣れも得られたと思います。
私は36歳で大きな金額を投資したため、最初の暴落による精神的な負担が大きくなりました。
投資では、知識だけでなく経験も大切です。
後悔② 奨学金を繰り上げ返済した
私は第二種奨学金を約350万円借りており、社会人になってから繰り上げ返済しました。
当時は「借金は早く返すべき」と考えていましたが、金利は低く、今の自分なら返済を急がず、手元資金や投資とのバランスを考えます。
もちろん、借金が精神的負担になる人にとっては、早期返済にも大きな価値があります。これはあくまで、現在から振り返った個人的な感想です。
後悔③ 借金を怖がりすぎた
住宅ローンや不動産投資など、借入を使う選択肢を「怖い」という理由だけで避けてきました。
結果的にインデックス投資だけで1億円に到達できたため、大きな失敗ではありません。ただ、理解したうえで判断するのではなく、最初から選択肢から外していた点には後悔があります。
資産形成に完璧な正解はありません。
それでも、大きな間違いを避け、自分に合う方法を続ければ、資産は少しずつ積み上がるということは実感できました。
7. 資産1億円で人生は変わったのか
結論から言うと、変わった部分もあれば、変わらない部分もあります。
急に幸せになったわけでも、毎日が贅沢になったわけでもありません。
今も会社員として働き、スーパーでは値段を見ます。高級車が欲しくなったわけでもなく、生活感は以前とあまり変わっていません。
「辞めても、すぐには困らない」と思えるようになった
最も大きな変化は、精神的な余裕です。
もし仕事が本当に辛くなったら、辞めてもすぐに人生が行き詰まるわけではない。
そう思えるだけで、会社や仕事との距離感が変わりました。
選択肢があることで、かえって目の前の仕事にも落ち着いて向き合えるようになった気がします。
子どもの教育費への不安が減った
大学進学や海外留学など、子どもの将来にはまだ分からないことが多くあります。
無限にお金を用意できるわけではありませんが、「ある程度の選択肢は残してあげられる」と思えるようになりました。
親として、この安心感は大きいです。
不安がゼロになったわけではない
老後、健康、子どもの進路、相場の暴落など、不安は今もあります。
1億円は人生のゴールではありません。
ただし、嫌な環境から離れる、新しい挑戦をする、家族との時間を優先する、といった判断をしやすくなりました。
結局、資産によって得られたのは、お金そのものよりも、安心と選択肢だったのだと思います。
8. もし36歳の自分にアドバイスするなら
① 完璧に理解するまで待たなくていい
本や動画で勉強することは大切です。ただ、投資には実際に経験しなければ分からない部分があります。
特に、自分がどれくらいの値下がりに耐えられるかは、知識だけでは分かりません。
少額から始め、経験しながら学べばよいと伝えたいです。
② 暴落を前提に資産配分を決める
「下がっても平気」と思っていても、実際に数百万円単位で資産が減ると、心は簡単にはついてきません。
そのため、最大リターンではなく、暴落しても売らずに済む資産配分を選ぶことが大切です。
生活防衛資金も、投資効率を下げる無駄な現金ではなく、長期投資を続けるための保険だと思います。
③ 自分が眠れなくなる投資はしない
レバレッジETF、個別株、仮想通貨などが悪いわけではありません。
ただし、値動きが気になって生活に支障が出るなら、自分にはリスクが大きすぎます。
投資で大切なのは、他人より高いリターンを得ることではなく、自分の生活を壊さず続けることです。
④ 無理に自分を大きく見せなくていい
若い頃は、成長、評価、収入を強く意識していました。
それ自体は悪いことではありません。しかし、自分の成果を優先しすぎると、目の前のお客さんや同僚にとって本当に良い判断ができなくなることがあります。
目立つことより、誠実に役に立つことを続ける。
その方が、結果として信頼や新しい機会につながることを、後から学びました。
⑤ 将来のために、今を犠牲にしすぎない
資産形成は大切ですが、そのために家族との時間や経験を削りすぎる必要はありません。
旅行、挑戦、子どもとの時間など、後から買い戻せないものもあります。
お金は人生を豊かにするための道具であり、目的ではありません。
36歳の自分には、最後にこう伝えたいです。
「不安はなくならない。でも、思っているより何とかなる。」
おわりに
2025年、資産は1億円を超えました。
しかし、1億円そのものが最終目標だったわけではありません。
私が欲しかったのは、仕事、住む場所、子どもの教育、新しい挑戦について、自分で選べる余地でした。
資産が増えても、悩みがすべて消えるわけではありません。暴落もまた来るでしょうし、健康や家族の問題はお金だけでは解決できません。
それでも、経済的な余裕が人生の自由度を高めてくれたことは確かです。
投資が気になっているものの怖さを感じている方は、完璧を目指さず、生活に影響しない金額から始めるのがよいと思います。
そして、将来のために今を犠牲にしすぎないこと。
働き、家族との時間を大切にしながら、これからも少しずつ人生の選択肢を増やしていきたいと思います。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
この記事は私個人の経験談です。将来の運用成果を保証するものではありません。投資判断はご自身でお願いします。